おとぎ話のような可愛らしい町並みや、のどかな田園風景を抜け、目の前に現れたキュルゼーの門は、資料で拝見し、待ちこがれていたそのままの佇まいであり、それ以上に美しいものでした。その先に広がるのは、鮮やかな緑と噴水に彩られたアプローチ。そして、厳かにそびえるキュルゼー城の姿。

偶然遭遇してしまった鉄道ストライキの影響もあり、長旅で疲れた私たちを、オーナーはじめスタップの方々が、優しい笑顔で迎えてくださいました。

エントランス、ロビー、廊下、階段……どこを切り取っても絵になる美しさで、とりわけ客室は、個々に異なった表情を持ち、いずれも今日からの素晴らしい滞在を予感させるものでした。私たちの宿泊するスイートは、高い天井と重厚な調度品に囲まれた空間で、天涯付きの大きなベッドは、まさにお城の特別な一室という雰囲気でした。また、摘みたての薔薇の花に、オーナーからの心のこもったメッセージも添えられていました。

挙式当日は、家族とゆっくり朝食を摂り、自室で支度を整えた後、日本人スタッフとの打合せと、フランス人カメラマンによる写真撮影から始まりました。

前日から続くあいにくの雨模様でしたが、挙式の頃にようやく止み、併設されている小さな青いチャペルに移動し、式を行いました。細かな取り決めや、堅苦しさは全くなく、和やかなムードで進行してゆき、参列者からのフラワーシャワーと、スタッフの皆様のあたたかい祝福で閉式となりました。「フランスでは、雨の日の花嫁は幸せになると言われているのだよ」と、たくさんの方に声をかけていただきました。雨上がりの空に響く鐘の音が、大変印象的でした。

日本人初の挙式ということで、現地のスタッフの方々も張り切っていらっしゃると伺ってはおりましたが、皆様に本当に親切にしていただき、大変感謝しております。

キュルゼー城での挙式は、式そのものだけでなく、流れる時間すべてが特別で、まるで夢のような滞在でした。そして、そのような豪華な空間で、本当に身近な人たちだけの、あたたかでこじんまりした式を挙げられるというのは、最高にぜいたくなことだったと感じております。

●パリ泊（昼・夕：機内）

●キュルゼー城泊（朝：ホテル、昼：各自、夕食：レストラン）

●キュルゼー城泊（朝：ホテル、昼：各自、夕：レストラン）

●モン・サン・ミッシェル泊（朝：ホテル、昼・夕：各自）

●パリ泊（朝：ホテル、昼・夕：各自）

●パリ泊（朝：ホテル、昼・夕：各自）

●機中泊（朝：ホテル、昼：各自、夕：機内）

(昼：機内)

いつかの結婚記念日にまたキュルゼーを訪れ、素晴らしい想い出話に花を咲かせることを楽しみにしています。

俊一＆彩