シャトー・ドゥ・ラ・シェーヴルドールで挙式をされた
お客様よりこのようなメールをいただきました。

 「結婚式」という人生最大ともいえるイベントの舞台に、私たちは南フランスの小さな村、『エズ』を選びました。ここは私が10数年前、友人とニース周辺を旅していた時に訪れた場所だったのですが、その時みた眼下に広がる地中海の言葉を失うほどの美しさ、そして、まるでおとぎの国に迷い込んでしまったような石造りのかわいらしい町並み…。「いつかまた来たい。できれば、大切な人と一緒に、、。」そんな想いがその後は自分の中では到底か なうことのない夢話のようになっていました。
今回、これからの人生を共に歩もうと決心した大切な人との結婚式のシーンを考えるにあたって、大切にしたいことがいくつかありました。日本の形式ばった結婚式や披露宴ではなく、自分たちらしい形であること。家族や大切な人たちとの輪がもてるシーンであること。自分が住んだことのあるフランスの素晴らしさを彼にも伝えたい。できれば大好きな、そして気候や眺めのよい南フランスで。遠くてももし祝福にいらしてくれる人があれば、その方々にも十分満足していただける場所にしたい。結婚式以外でも参列者の方が安心して観光等楽しんでいただけるロケーション。式以外にもランチなどでみなさんに感謝の会がひらける場所…。…。
 
いろいろと考えているうちに、私の頭の中にふっとあのエズでの絶景と、当時は気おくれがして覗き込むことすらできなかった素敵なたたずまいのホテルのことが浮かんできました。「もしかして、あのホテルで結婚式ができるかもしれない…。」
それから、私はおぼろげな記憶をたどって様々なキーワードを入力し、そして、ネット上でこの「シャトー・シェーブルドール」で結婚式ができることを知りました。そのときの興奮は今でも忘れることが出来ません。幸い彼も大賛成してくれたため、それからというもの、私の頭の中は実際出来る確証もないのに、勝手にエズでの結婚式のイメージでいっぱいになりました。青い海と空に囲まれ、南仏の明るい太陽が降り注ぎ、そこには赤や黄色や紫の花が咲き誇り、そして、家族や友人の笑顔があふれ…。
 
 
 
ただ、そこからがとても簡単ではありませんでした。なんとか自分で手配できるのではと思い、とりあえず日程の確保をしようとホテルのHPに書いてあったイベント会社には、いくらメールを送っても返事がなく、また、しびれをきらしてホテルに直接メールを送ってはみたものの、返事は10日後だったり、式の運営について紹介された会社がまた上の同じイベント会社だったり…。自分でやることに不安や焦りを感じ始めた私は、海外挙式をプロデュースしている大手の旅行会社数社に問い合わせをしてみました。どこの会社も通常のパッケージには入っていなかったのですが、オリジナルで組んでもらえないかかどうか、、と。返事はいずれも「ノー」でした。どの会社もとても親切で南フランスのほかの良い式場を提案してくれたりもしたのですが、私はすでに上の条件を満たすところとして、「エズしかない!エズでやりたい!」と思い入れがあったので、ほかのところではどうしても満足することができませんでした。ただ途中弱気になって、ほかのところで妥協しようかとも思っていたのも事実です。そんなとき、ヨーロッパウェディング専門であるリージェンシーさんの記事を拝見し、これが最後。ダメ元の気持ちで電話をしました。もう11月半ばになっていたかと思います。
 
その時電話で対応してくださったのが今回ご担当いただいたサルヴァトーレ山田さんです。
山田さんはこうおっしゃいました。「う〜ん、、じつはうちも通常のパッケージには入ってないのです。いろいろと事情がございまして、、でも。。何とかできるかもしれません。返事は1週間以内にします。しばらくお待ちください!」私はそのとき、エズのシェーブルドールで式を挙げたいこと、できれば3月の春休みのころ、ということだけ告げて電話を切りました。ところが、山田さんからのお返事はその日の夜。会社から自宅にもどるともうメールが入っていたのです。「優子さん、できます…!」
その時どれほど嬉しかったか…。その夜は興奮して眠れないくらいでした。
それから、山田さんと実際に打ち合わせ等が行われました。最初山田さんは、エズはとても素敵な場所でありながら、なぜリージェンシーさんがシェーブルドールをパッケージに入れていないのかを説明してくれました。それは、雨にしろ、風にしろ、あまりに天候に左右される場所で、人生一度きりの結婚式を挙げる場所としてはリスクが高すぎるから、ということ。たしかに、山を切り崩した崖っぷちにたつシャトーホテル、雨が降っていたらあの絶景どころかせっかくのガーデンウェディングが台無し、、。少しの霧や風でも同じこと。私の頭の中の太陽の降り注ぐイメージも全滅、、。山田さんがご心配されるのももっともなことでした。実際、ほかの南フランスの素敵な場所もご提案いただきました。マントンの市庁舎、 ヴィルフランシュのコクトーの礼拝堂などなど。でも、上に述べたすべての条件と私たちの夢を満たしてくれる場所はもうエズのシェーブルドール以外あり得ませんでした。加えて、同じ素敵な場所でもゴージャスなイメージではなく、こじんまりとかわいらしいイメージにしたいということも。実をいうと私はかなりの雨女なので、山田さんのその言葉にちょっと不安になることもありました。せっかく遠い南フランスまで行って、リスクの高い場所を選んだために悪天候で残念な記念日になることもあるかもしれない…。でもその時、山田さんの「優子さんのその想い、わかりました。きっと晴れますよ。頑張ってその夢実現しましょう!」という力強い言葉と、そして彼の「俺は晴れ男だから絶対に大丈夫!」という言葉に支えられて、夢のプランが具体化していきました。基本となるオリジナルパッケージプランをご提示いただいたあとは、まずは日程の確定、ホテルの部屋の確保、ランチパーティーの計画、そして、フラワーシャワーやフォトツアー等オプションの選択、、。
   
 
ドレスは山田さんご推薦のアルドブランディさんにお願いしました。なんでも、こちらのオーナーの佐賀さんはこの道30数年の大ベテラン!ボネの発明者、マリアベールという言葉の発案者でもあるということで、お話をさせていただく中で、ドレスへの情熱とプロの安心感を覚えました。また偶然ですが、佐賀さんもエズのことをとてもよくご存知で、真っ青な海や石造りの家並みのエズのロケーションを想像しながら、その景観にマッチしたシンプルで上品なドレスと小物選びに適切であたたかいアドバイスをいただきました。坂道の多い村だということから、ドレスの長さや歩きやすいヒールの高さなど、細かいところにも御配慮いただきました。私が最後まで二つのヴェールで迷っていると、「式とフォトツアーで雰囲気変えたらいいんじゃない?」と、結局二つともお貸しいただきました。「その代わり、帰ってきたらエズの写真を頂戴ね!」と茶目っけたっぷりの笑顔で…。なんでもこれまでにエズで挙式をされた方がなかったとのことでした。ここにも私たちのエズでの挙式を支えてくれるあたたかい方々との出会いがありました。
 
そこからは、家族のツアーなどもひっくるめてすべて山田さん任せ。現地を少しだけでも知ってしまっていたがために(?)料金面、サービス内容、かなり無理も言ってしまい、もしかしたらかわいくないお客さんだったかも知れませんが、本当にいろいろわがままも聞いていただき、常に明るく細やかにご対応いただき、最終的にはすべて満足のプランに仕上げていただきました。私たちだけでなく、家族の現地での快適性、安全面などにもご配慮いただき、その緻密な手配とスケジュール表には家族もうなるほどでした。最初は少し簡単に考えていた家族のツアーも、具体化していくと心配な点がいくつもあり、結果的にはエアチケットやホテルの手配、空港〜ホテル間の送迎、現地での観光等すべて山田さんにお願いして本当に良かったです。とくにニースの市内観光は、家族全員そろって日本人の方の専用車で隅々までご案内いただき、また町のガイド以外にも面白いお話もいろいろ聞くことが出来、今回、結婚式以外での最高の思い出となりました。この先、家族で海外で同じ時間を過ごすなんていう贅沢はもう二度とないと思うので、家族全員の一生の宝ものになりました。山田さんからのメールにはいつも『!』マークがいっぱいだったことも、そして、それを見るたびに山田さんの顔いっぱいに広がる笑顔が想像できたのも、楽しい思い出のひとつになりました。
 
   
 
そして、二人してやや興奮気味に向かえた当日、夢に見たシェーブルドールでの挙式です!
心配していたお天気ですが、、。なんと!かつてないくらいの晴天!まさに天晴れ!雲ひとつない最高のお天気!真っ青な地中海と抜けるような青い空と南仏のあたたかな太陽にまるで祝福されているようでした。何よりも、山田さんの想いが南仏まで届いたのですね。挙式当日のファックスメッセージ(じつはフランステレコムの不調でファックスが不通だったところ、ご丁寧にメールに添付ファイルでお祝いメッセージをいただきました。)もとても心強く、二人してニコニコ顔でうれしく拝見しました。
 
真っ白なシルクのドレスに着替えてホテルの部屋を出るときから、すべてがもう夢の中の世界でした。
生演奏をバックに父と腕を組んで歩く石畳の通路、遠くから参列に来てくれた家族や友人みんなに笑顔で迎えられる階段、父から彼に「よろしく」と微笑んで渡された腕、遠くにキラキラまぶしく光る地中海、司祭さんの「結婚」や「愛」についてのありがたいお話、途中降りるはずの階段を行き過ぎてしまって思わず笑いが漏れるなんていうエピソードはかわいいご愛嬌として、自然と神聖な気持ちになり、心の中にスーッと清らかな風が吹くようでした。実際、ずっと心地よい風が吹いていたので、ヴェールが肌にさらさらと触って、その感触を今でも覚えていますが、、。    
 
    もっとも神聖な気持ちになり感極まった瞬間は、指輪の交換のときでした。私たちが交換した指輪は「LIEN(リアン)」と言ってフランス語で「絆」という意味を持つものですが、デザインの素敵さもさることながら、その意味合いが気に入って二人で迷いなく決めた指輪でした。そして、この指輪にもじつはちょっとした逸話があり(長くなるのでここではやめておきますが)これからも私たち二人だけでなく、家族友人含めた人とのつながり、いままでお世話になった方々とのつながり、絆を大切にしたいと改めて思ったときでもあります。
最後は生演奏をバックに参列者からのフラワーシャワーで祝福の拍手に包まれました。みんなの笑顔に囲まれ、最高に楽しく幸せを感じた瞬間です。
フォトツアーはどちらをみてもフォトジェニックで魅力的なスポットだらけのシェーブルドールの敷地内のあと、おとぎの国のエズの村のあちこちで。観光客の方からも「おめでとう。すてき!」などの声をかけていただき、すっかり王子様、お姫様気分に。
ノリのよい愉快なフランス人カメラマンさんに言われるがままにポーズをとり、乗せられて見つめ合ったり、微笑み合ったり…。シャンパンも手伝ってか、最後の方には「あはは」と声が出てしまうほど大きな口をあけての自然すぎるほどの笑顔が飛び出てしまいました。村のシンボルともいえる山吹色のかわいらしい教会の前でも写真をとっていただき、とにかく、とにかく楽しいフォトツアーでした。また、帰国後送られてきたアルバムは、想像をはるかに超えるとても素敵なもので、当初は15枚といわれていたにもかかわらず、その中には30枚以上のカメラマンさんセレクトのきれいな写真が収まっていました。感激でした。
   
 
     
 
  その後は参列していただいたかたがたと一緒にテラスレストランでささやかなランチ会。
当たり前のことでありながら現地で再認識したことですが、司会進行役がいない、、よって自分たちで進行しないといけない。
結果、新郎が皆様への案内や、お開きの挨拶をするというちょっと珍しい光景にもなりましたが、アットホームでオリジナルな感じがして良かったのでは、、と自画自賛したりもして。地中海を見下ろしながらの青空ランチは、イタリアンメニューも繊細でおいしく、また、地元南仏の白ワインも大好評でとてもおいしくいただきました。フランス流で時間制限もなく、敷地も広く、みんなで悠々と楽しむことが出来ました。
 
じつは、今回の結婚式で、自分の中に思ってもみなかった意外な気持ちがおこりました。その場ではあまりに舞い上がっていて全く感じなかったのですが、終わって一息ついてみると、「もっと友人たちとしゃべりたかった。もっと一緒に写真がとりたかった。もっときちんと家族に紹介や挨拶をしたかった…。せっかくあれこれ考えていたのに、、」など悔やんでしまったのです。これにはちょっと驚きでした。でも、帰国後友人からの、「あのときはエズのすばらしさにみんな舞い上がったんだよ。そんな素敵な場所での幸せな瞬間に立ち会えることがあまりに幸せすぎたんだよ。」というメールの言葉に救われました。
そうなんです。あのときはあまりに素敵であまりに幸せすぎで、そんな、普通なら当然の気遣いやきちんとした挨拶のことばなんかがきっと必要なかったのです。それに気づいて、ようやく私の中に不思議なほど蔓延していた予想外の後悔の気持ちが一掃されました。みんなエズの素敵な魔法にかかっていたんですね。
行ってみて改めて実感したのですが、海外挙式はなにもかもぶっつけ本番!式の段取りもごくごく簡単で式場も直前にみるだけ。実際私たちも現地にいって初めて、想像していたのは芝生の上での式だったのに、案内されたのは石作りのカフェで、「あれ??」と一瞬不安になる場面もありました。でもそこは、現地の日本人スタッフの真美さんが前日にお部屋に電話をくださって、会場に不安があれば直前でも変更可能なことや、しわがとれなくて途方にくれていたドレスのアイロンをホテルに頼んでくれるなど親切に対応してくださったおかげで、十分安心して当日を迎えることが出来ました。
また当日のヘアメイクなどもなかなか思ったように仕上がらず、少し焦ってしまったりもしたのですが、そこは真美さんに笑顔でゆったりと構えていただいたおかげで、焦る心も静めることが出来ました。
 
  …なんだかとりとめのない内容になってしまいましたが。
「自分がもう一度みたかった景色を見ることができた」ということではなく、「そこで結婚式を出来た」ということだけでもなく、「そこで最愛の人との新しい人生の門出にたち、そして、大切な人たちに見守っていただき、一緒にその素晴らしい景色と大切な時間を共有することができた」という意味で、私の夢は実現しました。
そして、その夢の実現にたくさんの力を貸してくださった山田さんはじめ皆様にこの場を借りてもう一度お礼を申し上げます。本当にありがとうございました。
あまり参考にならなかったかも知れませんが、これから海外で結婚式を挙げる方々の少しでもお役にたてれば嬉しいです。

裕太&優子

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